日本の秘密 カミのはたらきと日本文化
◉なぜ、日本の街は清潔できれいなのか?
◉大震災がきても日本人は、なぜ秩序正しかったのか?
◉日本人はなぜ親切なのか?
◉なぜ日本の政治はだめなのか?
◉なぜ日本製品は優秀なのか?
◉なぜ日本のポップカルチャーは面白いか?
これはよく話題となる海外からの「現代の日本」への問いである。
エピローグにこれら問い掛けの本稿としての答えを用意している。世界から日本を見る時、どうも日本特有の特徴があるようだ。もし地球の上に日本がなかったら、それでも世界はやっていけるとは思えるが、味付けがどこか足らない料理のようではないだろうか。現代の地球上には、日本の「何かは」随分と広まりつつある。フランスの少女たちはセーラームーンを見て育ち、アフリカの奥地の子供たちは、メイドインジャパンのゴム草履を履いている。スペインの街では寿司屋が人気を集め、ベトナムには日本の経済援助でモダンな橋がかかっている。ある意味では既に「日本の何か」は国際化しているのである。その「何か」とはなんであろうか。できるだけ大胆な仮説を立ててそれを楽しんでいただければと考える。
日本文化論の中で、日本文化の特徴としてあげられるのは以下のような事柄である。
◉日本の7つの基底文化
① 和をもって尊しとなす
成否の論理性よりも話し合い重視。稟議根回し文化
② 穢れを祓う
塩をまく。清潔好き。禊ぎ。差別。
③ 腹と胆
天皇、親分、渡世〜フーテンの寅さん。リーダーシップ。
④ 挨拶重視
相互の気遣い。誉め言葉(コトホギ〜タマの交換)
⑤ 縁と結び
何かの縁、縁結び、結婚、結びの一番、縁の重視
⑥ 遠慮
言霊〜いいことしか言わない。不吉な言葉は不吉を呼ぶ。空気を読む文化。
⑦ 見立て
◎◎銀座、◎◎富士 モドキ。工夫。
以上7つの事柄の底流にはどうやら日本独特の何かのはたらきが見えてくるようだ。多くは人と人との関係に根ざし、物事を決定する価値観に基づくものが多い。日本的なやり方の特徴である。この論考は、これら見えない日本的なるものの「底辺に流れる何か」に近づいてみたい。