仮説 幻想次元論

まず現代の常識とされるものを疑ってみること。現在の自分の立ち位置をもう一度見直してみること。日本の基層文化を訪ねた経験と、そこから実感する事をまとめてみること。これらを軸に多様な切り口から仮説を立ててみたい。

 

① 日本文化の可能性    多神教世界の日本的な独自性とは

日本文化の基底には縄文時代から培ってきたアニミステックな「タマ」(霊)の文化がある。現代人にも脳の無意識領域の中にタマが生きている。現在でも、日本人は誰もが無意識のうちに人それぞれのカミを持ち、日頃から付き合っているのだ。日本的なこと、おもてなし、ものづくり、まじめさなどの中にタマ文化は現代も生きている。

 

② パラダイム・シフト    彼岸から此岸を見てみる

とかくヒトの意識は、自分を中心に世界を組み立てている。天国も地獄も浄土も根の国もすべて視点はこの世からだ。明治以降、大きく影響を受けた近代欧米思想も自己意識中心の思考である。宇宙から地球を見る、無意識から意識を見る、死から生を見る、物質から生命を見る、情報から生命を見る。など、パラダイム変換には視座のコペルニクス的転回が不可欠である。

 

③ 幻想領域の見直し    意識・無意識・集団的無意識 幻想と情報の統合

仮説として「エネルギー」=「物質」=「生命」=「無意識」=「幻想」=「情報」=「カミ」として生命体に現象する生命活動を情報的視点から眺めてみるとどうなるのか。生命体の脳は情報処理器官である。ヒトはこの脳に進化の活路を求めた生命体である。脳は、意識以前に無意識を司令塔としながら進化と個体保存に勤しんでいる。そこで生み出されるものはすべて情報であり幻想なのだ。ヒトが見出したカミもモノノケもすべては固有の情報なのだ。

 

④ 多次元仮説   幻想次元と時空次元の融合

かつてヒトは、縦、横、高さ、時間、そして幻想(情報)の5次元空間に住んでいた。歴史が下る中でヒトは、「無意識」のサブシステムである「意識」を「言語」とともに発達させ幻想次元を「意識」に取り込んでしまい幻想次元という1次元を失ってしまった。と仮定してみる。もとの5次元世界からこちらを見ながら現代を見直すとどうなるのか。