ポケモンGOと出雲大社

ポケモンGOがブームとなっている。スマホを持った人たちが日本全国津々浦々を巡っている。このことは全く新しい現象である。ゲーム世界をリアル空間に拡張したこのゲームは、文化的にも新鮮である。
それはさて置き、出雲大社が、早々と境内でのポケモンGOの使用を禁止した。常識的な見解では、恐れ多いカミの神域を、俗世のゲームを持ち込んで汚さないで欲しい。としたと思われるが、しかし、もしかすると、出雲大社の神々と、ポケモンのモンスターに同質なものを感じて禁止に至ったのかもしれない。大国主命とヒカシューは同根かもしれないのだ。古代と現代の神話の主人公がこの両者であるのだ。日本では「桃太郎」のように物語のヒーローがカミなのだ。脇役がモノノケであったりオニであったりする。元々ポケモンは、昆虫採集がプロトタイプであったと聞いているが、そのモンスターたちはモノノケと言ってもいいと思う。またこの現象は、日本のカミの世界も実はバーチャルな情報世界であることを露呈する。神社の結界を張った神域は、実はバーチャルなアチラの世界なのだ。であるからこそ、人々はカミに祈って甦り、再生し、元気になるのだ。