ゲゲゲの鬼太郎

 

水木しげるが亡くなった。彼の生み出した「ゲゲゲの鬼太郎」は今では世界中のファンに愛されている。日本のマンガやアニメの世界が表現しているその多くは「この世にないもの」である。

それらの特徴の一つはあちらの「もののけ」と,こちらの日常世界が渾然一体なのである。日常心理のなかにあちらが溶け込んでいるのだ。もちろん世界中に妖精物語は多くある。ハリーポッターやシンデレラはその例である。世界中の神話や民話を比較すると共通点が見出せる。それを神話素という。人を感動させる仕組みだ。これによって物語は世界に拡がっている。しかし、日本ならではの魅力の素もあるのだ。メードインジャパンのキャラクターを並べて比較するといわば「日本の素」が見つかるかもしれない。

 

あちらの世界で跋扈する「鬼太郎」のような「妖怪」や「もののけ」たち。また、まだ見ぬ未来世界。ドラえもんから新世紀エバンゲリオン、ガンダム、AKIRAまでのSFの世界。実際、世界中の子供たちがファンなのである。なぜ日本のマンガやアニメは世界にファンを持つのか?これも日本の不思議の一つだ。

 

メイドインジャパンの代表であるクルマは、ヨーロッパ発祥の自動車とアメリカ発祥のオートメーションを採り入れ、世界で有数の自動車生産大国になった。多分、そのこととマンガ・アニメの世界化は、基層で繋がっているはずだ。マンガ・アニメもディズニーやポパイなどアメリカの作品群、ヨーロッパのアニメ文化から多大な影響を受けている。しかし日本製はそれらとどこかが違うのだ。多分、このWonder JAPANの「日本の秘密」が指し示している日本独自の多神教文化とカミの作用が関係しているに違いない。

鬼太郎とトヨタプリウス、大勝軒のラーメンを比べて「日本の素」を見つけてみよう。