天皇   祟る王


天皇制は最も素晴らしい日本の発明だ。現代まで1700年間継続した王制は世界に類例をみない。天皇霊を継承している人が天皇である。したがって天皇の身体は天皇霊の乗り物である。天皇霊は森羅万象の神々と繋がっている霊的な大自然の象徴である。したがって人々にとって天皇に刃向うことは大自然を敵に回すことになる。大きな祟りが人々を襲うことになるのだ。人々は1700年の間、畏れ多い存在として天皇を祀ってきたのだ。天皇は人々から拝礼されるたびに人々のタマを付けて霊威を増していく。つまり天皇を拝礼する意味は、あなたの僕(しもべ)になりますということである。タマを天皇に差し出すのだ。これを「寿言(よごと)」という。これと共に天皇は、人々へ自らのタマを分け与えていく。サチの分配である。春と秋の園遊会の時、また震災地の訪問の時、天皇の役割が見える。政治的実権を持たないゆえに現在も綿々と存続している。